以前の記事で、今年からiDeCoを始めた話を書きました。

そのiDeCoに、今年の12月、大きな制度改正が来ます。

「掛金の上限が月6.2万円になる」という良い話と、「10年ルールで受け取りが不利になった」という厳しい話が同時に進んでいて、正直、情報が入り乱れています。

加入して1年目の私も他人事ではないので、改正の中身を整理して、自分はどうするつもりかまで書いておきます。

改正のポイントは3つ

今回の改正で変わるのは、大きくこの3つです。

変わること 今まで これから 時期
掛金の上限(会社員・企業年金なし) 月2.3万円 月6.2万円 2026年12月〜
退職所得控除の調整期間 5年 10年 2026年1月〜適用
加入できる年齢 65歳未満 70歳未満 2027年1月〜(予定)

iDeCo2026年改正の3つのポイントをまとめた図解。①掛金上限が月2.3万円から6.2万円へ引き上げ(2026年12月施行・引き落としは2027年1月分から)、②いわゆる10年ルールでiDeCo一時金と退職金の間隔が5年から10年に(2026年1月以後の受け取りから適用)、③加入可能年齢が65歳未満から70歳未満へ拡大(2027年1月予定)。結論:積み立ての入口は大きく広がり、出口の税制は厳しくなった。入口と出口をセットで考える必要がある

ひとつずつ見ていきます。

① 掛金上限が月2.3万円 → 6.2万円へ

私のような企業年金のない会社員の場合、iDeCoの掛金上限は月2.3万円でした。

これが2026年12月から、月6.2万円まで引き上げられます。約2.7倍です。

(実際の引き落としに反映されるのは、2027年1月分からの予定です)

iDeCoの最大の強みは、掛金が全額所得控除になること。

枠が2.7倍になるということは、節税できる上限も2.7倍になるということです。

年間で見ると、掛金の上限は約27.6万円 → 約74.4万円

収入が上がるほど所得税率も上がるので、掛け持ちで収入を伸ばしている薬剤師にとって、この拡大はかなり大きな話だと思っています。

ちなみに自営業などの第1号被保険者は月6.8万円 → 7.5万円(国民年金基金などと合算)に引き上げられます。

② 「10年ルール」——改悪と言われた話

一方で、受け取るときの税制は厳しくなりました。

iDeCoを一時金でまとめて受け取るときは、「退職所得控除」という大きな非課税枠が使えます。勤め先の退職金も同じ枠を使います。

今までは、iDeCoの一時金を受け取ってから5年空けて退職金を受け取れば、それぞれの控除をフルに使えました。

これが、2026年1月以後の受け取り分から「10年」に延長されました。

いわゆる「iDeCo改悪」と話題になったのはこの部分です。

正直に言うと、受け取り方の自由度が下がったのは事実です。

ただ、私はこう受け止めています。

  • 積み立て中の所得控除・運用益非課税は何も変わっていない
  • 影響が出るのは「一時金+退職金を短い間隔で受け取る人」で、受け取り方の設計しだいで対処の余地がある
  • 私は30代。受け取りは20年以上先で、それまでに制度がまた変わる可能性も十分ある

出口の税制が厳しくなったのは残念ですが、入口のメリットが消えたわけではない。ここを混同して「iDeCoはもうダメ」と切り捨てるのは早計かなと思っています。

③ 70歳まで加入できるように

加入できる年齢も、65歳未満から70歳未満に広がる予定です(2027年1月〜)。

私にはまだ遠い話ですが、「長く働いて長く積み立てる」選択肢が広がるのは、掛け持ちで働く身としては素直に良い方向だと感じます。

薬剤師は比較的長く働ける仕事なので、60代でも現場に立ちながら積み立てを続ける、という道が現実的になってきました。

で、私はどうするか

まず現状から書くと、私は今、月2.3万円の満額を拠出しています。

企業年金のない会社員の上限いっぱいです。これ以上増やしたくても、枠がありませんでした。

だから今回の改正で枠が6.2万円に広がるのは、私にとってはシンプルに朗報で——12月からは掛金を増やす予定です。

ただし、いきなり新しい上限の満額まで行くつもりはありません。

理由は、前の記事でも書いたiDeCo最大の注意点が変わっていないからです。

60歳まで引き出せない。

月6.2万円を全部iDeCoに入れると、年間74万円超のお金が60歳までロックされます。

節税効果は魅力ですが、この先なにが起きるかわかりません。

いつでも引き出せるNISAの積立を軸にしつつ、iDeCoは「なくても生活が回る範囲」で増やす。このバランスは崩さないつもりです。

私はiDeCoを楽天証券で運用しているのですが、掛金の変更も楽天証券の画面から手続きできます(正確には「加入者掛金額変更届」の提出が必要で、変更は年1回まで)。

NISAも投資信託も楽天証券に集約しているので、資産全体を1つの画面で見ながら配分を考えられるのは、こういうときに便利だなと感じます。

中身は引き続き**S&P500のインデックスファンド100%**のまま変えません。枠が広がっても、買うものは変わらない。シンプルが一番です。

これから始める人へ——まずはNISAから

最後に、この改正のニュースを見て「iDeCoを始めようかな」と思った方へ。

私のおすすめは、まずNISAからです。

iDeCoの節税メリットは本物ですが、途中で引き出せないというデメリットは、投資に慣れていない段階ではかなり重い。

急な出費、転職、引っ越し——人生は予定通りに進みません。そんなとき、NISAならいつでも売却して現金化できますが、iDeCoのお金は60歳まで動かせないのです。

まずNISAで積立投資に慣れて、家計に余裕があると確認できてから、iDeCoで節税を上乗せする。

私自身がこの順番で来て、良かったと思っています。

投資の始め方はこちらの記事にまとめているので、よければどうぞ。

まとめ

  • 2026年12月から、iDeCoの掛金上限が月2.3万円 → 6.2万円に(企業年金なし会社員の場合)
  • 「10年ルール」で一時金+退職金の受け取り設計は厳しくなった。ただし積み立て中のメリットは変わらない
  • 加入年齢は70歳未満へ拡大予定。長く働く薬剤師とは相性がいい
  • 私は現在月2.3万円の満額を拠出中。12月からは「なくても生活が回る範囲」で掛金を増やす予定
  • これから始めるなら、まずNISAから。60歳まで引き出せないiDeCoは、積立に慣れてからで遅くない

制度は変わり続けます。振り回されず、でも知らないままでもなく。使える枠は理解したうえで、自分のペースで使っていきます。

※本記事は執筆時点の情報と私個人の考えをまとめたものです。制度の詳細・施行時期は今後変更される可能性があるため、最新の公式情報をご確認のうえ、投資判断はご自身の責任でお願いします。


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